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東京都議会第二回定例会にて自民党を代表しての討論 東京都知事選挙に向けて、最後の議会となる。

2020-06-29

東京都議会自由民主党を代表して、本定例会に付託された全議案に賛成の立場から、討論を行います。


 この四カ月間、小池知事のコロナ対策は、「ロックダウン」や「ウィズコロナ」といったキャッチフレーズに終始するばかりで、危機管理意識は希薄なまま、自ら責任を負おうとする姿勢は見られませんでした。
 本来であれば、日々の検査数や陽性率など、科学的根拠をもとに、感染の実態や傾向を都として把握し、対策を講じるべきでしたが、都は検査の陽性率すら五月七日に至るまで公表できず、いたずらに都民の不安を煽り、ただただ情緒的な言葉を繰り返すばかりの、根拠のない対策となりました。

 6月2日、知事が発した「東京アラート」も、感染状況がどの程度、指標を越えた時に警鐘を発動するのか、その理由について、都民からは分かりにくい、といった声が上がっています。
 赤く照らし出されたレインボーブリッジや都庁舎については、それ自体が外出を促す要因になった、という残念な結果となり、相変わらず、小池知事の行う対策の意味や共感が都民に伝わっていません。
 キャッチフレーズだけでなく、都民に何を求めるのか、発動されると具体的にどうなるのか、今後のコロナ対策には、都民の理解が不可欠です。

 また、知事は過日「新宿」の「夜の街」が新規感染者数の多くを占めていると、突如、発表しました。
 しかしこれは、事前にこうした繁華街を抱える新宿区が、独自に、業界の方々と意見交換を重ね、プライバシーを保護しながら、積極的疫学調査を実施することに理解と協力が得られた結果、検査数も、陽性者数も増えたためです。
 経済活動を再開する中で、新宿区は業界関係者と丁寧な「信頼関係」を築きながら、感染防止対策を講じようと真剣に取り組んできました。
 一方、小池知事は「ウィズコロナ」と言いながら、感染者数の増加ばかりを気にして、どういう対策を取るべきかも示せず、無責任としか言えません。結果として、過日、知事は西村大臣と面会し、この積極的検査体制を引用することにしたからには、今後の新宿区を始めとする繁華街を抱える街への、都としての支援を強く求めておきます。


 次に、PCR検査体制について申し上げます。
 都は、ロードマップにおいて、検査数を現在の一日、三〇〇〇件から1万件へ拡大することを掲げましたが、その検査数をいつまでに、どう確保するかは明確にされていません。今後、PCR検査センターの増設や、民間検査機関への人的・物的な支援だけでなく、大学や研究機関などとの連携など、千四百万都民を抱える都としての着実な検査数の拡大を求めておきます。


 次に、病床の確保について申し上げます。
 第一波と言われる今回の経験を通じ、対策の基本は、医療崩壊をさせないことであり、中でも病床の確保が重要であることを、誰もが認識しました。今後、都は、第二波に備え、感染状況に応じて病床を確保し、患者の重症度や特性に応じた受入体制を構築するとしていますが、都の要請に応じて、病床を確保し続けることは、病院にとって大きな負担となります。
 病床確保に向け、医療機関に対する財政的な支援の強化を強く求めておきます。


 次に、宿泊療養施設について申し上げます。
 都は、軽症者を受け入れるため、宿泊療養施設として、五つのホテルに一七〇億円以上をかけ、二八六五室を確保しましたが、感染者の多くは、介護や子育てなどの理由により、自宅療養を希望し、ホテルの利用には必ずしもつながりませんでした。
 今後、都として、宿泊療養の必要性に対する患者の理解と、利用促進に向けた取組を強化するとともに、第二波の際の医療崩壊を防ぎ、軽症者の急変に対応するためにも、宿泊療養施設を臨時の医療施設として整備できるよう、強く求めておきます。


 次に、中小・小規模事業者に対する支援について申し上げます。
 感染拡大の影響が長期化する中、国は「持続化給付金」や「雇用調整助成金」等の支援策を講じるとともに、新たに固定費の負担に苦しむ中小企業の、家賃への補助も行うこととしました。
 都としても、東京の産業を支える都内の中小・小規模事業者が、一刻も早くこの危機を脱するために、他都市に比べ、格段に重い家賃負担に対する軽減策や、独自の対策を講じることが不可欠です。また、公営企業に対して、賃料相当の使用料を支払っている事業者も含めるなどの検討を求めておきます。
 また、円滑な事業承継への一層の後押しも強く求めます。


 次に、ICT教育について申し上げます。
 コロナ禍において、オンライン教育に対する期待と理解は一層高まり、生徒一人一台端末や、通信環境の支援など、環境づくりは進んでいますが、その急速な拡大により、新たな教育格差が生じないよう、目配りの行き届いた取組が重要です。
オンライン教育への対応が困難な家庭に対しては、初期の導入から活用に至るまで、支援員の配置など、都のフォローアップを求めます。
 同時に、学齢や習熟度、学習効果、現場の負荷なども踏まえながら、ICT教育の効果を丁寧に検討・検証していくことを強く求めておきます。


 次に、災害対策について申し上げます。
 近年、都内でも豪雨や台風の災害は頻発しており、首都直下地震も含め、甚大な災害がいつ起きてもおかしくない状況にあります。
 我が党はこれまでも、コロナ禍の中、こうした災害が発生し、二つの脅威が重なる事態も十分想定すべきことを、再三にわたり指摘して参りました。
 こうした中、都は、区市町村向けに、避難所での感染拡大防止対策の対処方針をとりまとめましたが、都の役割は、それだけではありません。
 ソーシャルディスタンス、「人との距離」を保つために必要な避難先の更なる確保や、住民への周知など、感染拡大防止を図る区市町村の、新たな避難所運営の体制構築に向け、都の更なる支援を強く求めます。



 これまで述べてきた通り、コロナ対策は、医療・経済・教育・防災対策など多岐にわたり、実に一兆円以上もの経費が費やされることとなりました。
 石原都政以来、積み上げてきた、財政調整基金は底をつき、他県からは羨望の眼差しだった都財政は、一転して危機の瀬戸際にあります。さらにはリーマンショックを超える税収減が現実味を帯びる一方で、今後、都民の命を守るために不可欠な医療や検査体制、社会活動の再開に伴う経費、急速な高齢化への対応、地震や風水害といった災害に強いまちづくりなど、多くの対策が待ったなしで控えています。
 5月5日には副知事発で各局に対し、優先度の低い事業を見直すよう通達が出されました。その事例として、都議会自民党が以前より指摘してきた、築地の再開発が挙げられています。
 武市財務局長は、過日の財政委員会において、「築地を長期で貸し付けることで、定期借地料が毎年入り、税収の増収につながる」などと無責任な発言をしておりますが、これは、コロナによる社会・経済活動の変化も踏まえず、また、70年という長期の貸付について、責任ある見解とは到底言えません。
 景気変動を受けやすく、地方交付税不交付団体である都として、「都財政は都債や基金の活用により、まだまだ大丈夫だ」というような悠長な姿勢では、今回のコロナ対策のように、あっという間にすり減ってしまう懸念があります。成り行に身を任せるわけには行きません!
 早急にコロナ対策を含め、都事業の必要な検証を行い、政策の優先順位をつけ、不要不急な事業につぎ込む予算を、都民の命と暮らしを守る、真に必要な事業の財源とすべきです。

 さて、来年開催予定の東京五輪・パラリンピック大会について、開催までのロードマップは示されていません。コロナ禍を乗り越えた先の日本に不可欠な「経済再生の起爆剤」としなければなりません。そのためにも、五輪大会を新たな夢と希望の象徴として、機運醸成や積極的なメッセージを、オールジャパンで発信することを求めておきます。

 
 小池知事の四年間の任期は終わろうとしています。知事就任の際には、権限のない「都議会の冒頭解散」を宣言し、その後、オリンピック会場変更問題や豊洲市場移転延期など、小池知事が無用に立ち止まった影響で、多くの都民の血税が費やされたことを、あらためて指摘しておきます。


 我々都議会自民党は、次期の知事が誰であれ、二元代表制の下で、丁寧に都民の声を受け止め、都民の期待に応えるため、引き続き、全力を尽くしていくことを申し上げ、討論を終わります。

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